ジャンク液晶モニタ復活事例 VL-15DX8編 〜 DVI端子付きモニタへの改造 (Page 3 / 3)

■ DVI化に際して必要な回路は・・・


実際に、コネクタの先にぶら下げるべき回路について検討してみたいと思う。
このモニタについても、その中身やインターフェースが F15T51 とほぼ同等のようなので、 基本的なアプローチも 同じやり方 で行けそうだ。

PCに接続する際に必要な回路としては、
  • DVI端子へのインターフェース
  • オーディオ(音声出力)端子へのインターフェース
  • 電源(+12V)へのインターフェース
が必要になる。

一通り、必要と思われる接続を盛り込んだ回路図を記しておこう。

▲ 変換ケーブルおよび付加回路


さらっと内容を説明しておこう。
  • DVI端子へのインターフェース
    ディジタル映像信号(TMDS)のラインと、DDC通信関連のラインがあり、基本的に同意の信号を接続するのみの作業になる。
    高速のディジタル映像信号×3および Clockは、極力インピーダンス整合を乱さないよう、かつ等長配線を心掛けよう。

  • オーディオ(音声出力)端子へのインターフェース
    このモニタは、入力回路が差動アンプになっているので、配線の際も少し意識しておこう。
    音声信号は、+と−の入力間に加えることに違いはないのだが、電源と共通になっている GNDライン上で電位差ができてしまった場合に それを打ち消すことができるような仕組みになっている。 それらが活かせるよう、−側をまとめて GNDにつないでしまうのではなく、 低い抵抗で仮に GNDへ接続してある。 また、+と−の入力間に 22KΩを渡して、オープン時のノイズを防止している。

  • 電源(+12V)へのインターフェース
    PCから直接電源を取る場合は直結にしてしまっても良いのだが、ACアダプタから給電する場合に備えて FETによるスイッチを 追加している。 PCのグラフィックカードが動作開始して DDCラインの加圧を検出したら、同時にモニタへの給電がスタートする。
    この回路も、念のため GND同士の結合防止策として、DDCラインの GNDには抵抗を入れてある。
これらの回路を実際に組み立ててみたのが、下のイメージだ。


▲ 配線の様子 〜 基板オモテ側[拡大写真]
▲ 配線の様子 〜 基板ウラ側[拡大写真]


すでにケースに入れることを意識して、基板の不要部分をカットしてある。
そこそこ混雑した配線になるので、順番を考えながら、かつ間違えないように進めよう。


▲ 今回使用したケース[拡大写真]
▲ ケース内部の様子[拡大写真]


ということで、ケースに組み込んでみた。
今回使ったケースは、テイシンの TB-55。 80×50×20mmという比較的コンパクトなケースだ。
細かい工作が苦手な方は、もう少し大きめのケースの方が作業は楽なので、あまり無理せず大きめのケースを選ぶようにしよう。 但し、 面倒だからと言ってケースに入れないのは、断線や破損で動作しなくなったり、最悪ショートなどで PCにダメージを与える可能性もあるのでお勧めできない。


▲ 配線を接続した様子[拡大写真]
▲ ♂♀それぞれの信号コネクタ[拡大写真]

・  ・  ・  ・

■ 一応完成かな・・・


▲ PCに接続してテスト中[拡大写真]

ということで、今回は すんなり完成 という感じかな (^^)

手近な PCのセカンダリモニタとして接続してみた。
全く問題なく動作しており、画質もまずまず。 バックライトも明るい ・・・と。

今回も、原価 1,980円ということで、コストパフォーマンスの方もバッチリだ。
追加部材は、マジメに買うと結構な出費になりそうだが、今回はほとんどが身の回りにあるもので賄えたため、 感覚としては、多分 1,000円もかかっていないと思う。
調べる手間はそれなりにかかったが、今回は過去のお手本もあったので、楽しみながらマイペースで行えるレベルで収まったという感じかな。

ということで、右上のイメージが動作中の様子だ。
イマドキのパネルではないので、視野角や反応速度を過度に期待するのは良くないが、今回もドット抜けなし&バックライトの 劣化もなし・・・ と、とりあえずアタリの部類だと思う。 当面セカンドモニタとして活用させてもらうことにしよう。
ちなみに、画面の明るい部分に モアレ が見えているが、パネルのカラーフィルタとデジカメの画素が 干渉しているだけで、実際の画像は全く問題ない。 少し見難いかも知れないので、別リンクで プロパティ画面 を貼り付けておくので参照いただければ幸いだ。

2008/05/04 Yutaka Kyotani

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