HDビデオラインセレクタ「色々なハイビジョン信号を測定してみる」・・・ (Page 1 / 1)

 色々なハイビジョン信号を測定してみる


■ まずはHDDレコーダーの出力信号を測定してみよう・・・


ケーブルTV会社からレンタルしている HDDレコーダーで、早速色々なチャンネルを巡回し、信号を見てみたいと思う。
尚、HDDレコーダーのD端子出力は D3(1080/59.94i)に固定し、標準解像度の放送もアップコンバートされるように設定。 この ビデオラインセレクタに入力したあと、32型液晶TVの D端子入力に接続している。

このビデオラインセレクタが入力対象としているのは 1080/59.94iの信号なので、インターレース(飛び越し操作)により 2つのフィールドを使って 1枚の絵が作られている。 そのため、第1フィールドと第2フィールドでは 垂直ブランキング期間の内容が異なっている のである。 まずは地デジ放送を受信させ、 簡単なコメントを加えながら、その辺りの内容を確認してみたいと思う。


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▲ Line1[拡大波形]
▲ Line2〜4[拡大波形]
▲ Line5[拡大波形]


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▲ Line1手前[拡大波形]
▲ Line1〜4[拡大波形]
▲ Line5[拡大波形]


Line1〜5、ここは垂直同期信号 (V-SYNC)が配置されている部分になる。
第1フィールドでは、Line1の最初から Line5の最後までが V-SYNCで、その間 1/2の周期で H-SYNCと同様の パルスが挿入されている。
一方、第2フィールドでは 1/2H手前から V-SYNCが始まっており、Line5の中央までが V-SYNC期間となっている。 最初の波形は トリガーポイントをずらして 1H手前から見えるようにした状態だ。


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▲ Line6[拡大波形]
▲ Line7〜17[拡大波形]
▲ Line18[拡大波形]


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▲ Line6[拡大波形]
▲ Line7〜17[拡大波形]
▲ Line18[拡大波形]


Line6〜18、ここは V-SYNC期間終了後、映像が始まるまでブランクになっている。
第1フィールドでは、Line5の最後までが V-SYNCがあった関係で、Line6には 1/2の周期で H-SYNCと同様の パルスが挿入されているが、第2フィールドでは、Line5の中央までで V-SYNC期間終了となっており、このパルスは挿入されていない。
両フィールドとも、Line18の右側に何やら見えますな・・・


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▲ Line19[拡大波形]
▲ Line20[拡大波形]
▲ Line21[拡大波形]


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▲ Line19[拡大波形]
▲ Line20[拡大波形]
▲ Line21[拡大波形]


続いて Line19〜21。
Line19には何やら妙な信号が挿入されており、次の Line20がブランク、そして Line21から先に実際の映像が載せられているようだ。
この間は、第1、第2フィールドとも同様の内容なのだが、Line19はチャンネルを変えてやると、信号のパターンが変化することがある。 Line21から先は 実際の映像データなので、信号自体は映っている内容によって異なったものになる。






▲ コミュニティCh[拡大波形]
▲ 地デジ某Ch[拡大波形]
▲ HDR-HC3[拡大波形]

H
D
R



▲ コミュニティCh[拡大波形]
▲ 地デジ某Ch[拡大波形]
▲ HDR-HC3


Line19のデータをもう少し詳しく観察してみよう。
※無用な言いがかり防止のため、この信号が何を意味するものかの直接的な解説は控えさせていただくこととし、あくまで “ビデオラインセレクタを使った測定結果報告”という形にとどめさせていただくので、ご了承いただきたい。

第1、第2両フィールドとも同様のデータが載せられているようなので共通にさせていただくが、チャンネルを色々変えて見ていくと、 主に 2通りのパターンに分類できるようだ。 ここでは仮に パターンAパターンB に分類するとして、パターンAの代表は コミュニティチャンネル (左上)、 パターンBの代表は 一般の地デジ放送 (中央上) である。 波形上段 “生のデータ”には、このほか、 ハイビジョンハンディカム HDR-HC3の再生データを右上に並べてある。 HDR-HC3の再生データには、 左上や中央上の波形のような信号はなく、全くのブランクである。

これらの放送を HDRに録画し、再生した信号を観測したのが下段 “HDR再生時”だ。 この時点でパターンBの地デジ放送を録画したものは、 信号パターンが変化した様子が読み取れる。 パターンAのコミュニティチャンネルには変化が見られなかった。
パターンAには、コミュニティチャンネルのほか、データ放送や CS放送再配信チャンネルの一部 (具体的なチャンネルは内緒ネ・・・) などがあり、これらは HDRに録画しても コピー禁止アイコン が表示されなかったことをご報告しておく。

・  ・  ・  ・

■ 測定結果おまけ・・・


色々波形観測していてちょっとした発見があったので、“おまけ”として記しておくことにする。

H
C
3



▲ Y[拡大波形]
▲ Pb[拡大波形]
▲ Pr[拡大波形]

H
D
R



▲ Y[拡大波形]
▲ Pb[拡大波形]
▲ Pr[拡大波形]


これらは、メモリーカードにカラーバーの JPGデータを 1920×1080ピクセルで書き込み、ハイビジョンハンディカム HDR-HC3と、 レンタルの Panasonic製HDDレコーダーで再生させたものだ。 あまり良いデータではないが、あくまで “目安”ということで ご参照いただきたい。

上段 ハイビジョンハンディカム HDR-HC3では、信号レベルが少し高めで全体的に明る目の映り具合となっている。 ま、機器による信号レベルの 差はありがちなことと思うが、Y信号の右側、PbやPrを較べてみると・・・ 何と 同期信号が載っているかどうか が両者で違っている。
さ、どっちが本当?! 我が家にはこれ以上のハイビジョン映像信号が出せる機器がないので不明・・・ だが、自分で ハイビジョン映像信号を処理する機器を作る時には気を付けよう (^^;

2007/11/11 Yutaka Kyotani

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