液晶自作キット SP<15.1" SET> (Page 2 / 3) |
スピーカと関連回路
■ ケースの両側に小型スピーカを取り付ける・・・
スピーカの選定は、ケースとの兼ね合いで場所的な制約が発生するため、良いモノに巡り会えないと悩むことになる。
チューナーキットを購入すると小型のスピーカが付属してくるが、あまり音響的に考慮された物ではなさそうなので、できればもう少し大型のが欲しいところだ。
今回のモニターケースは前頁でも触れたように、液晶の厚みが大きい関係で 1cmちょっとの空間しか残されていない。 樹脂製の裏蓋の外側にマウントすることを考えれば
2cm程度までは何とかなりそうだが、やはり厚みの制限が大きい。
ということで、今回採用したスピーカはコレ。
どうやらカーオーディオ用と思われる雰囲気で、取り付け用金具やネジが付属品として入っており、長めのケーブルの先は
オスメスのギボシ端子。 色々考えた結果、ケース内にスピーカを埋め込むのは諦め、このケース入りスピーカを両側に張り出して取り付けることにする。
右上の写真がケースへの取付状況。
モニターケース本体と裏蓋のスキマに挟み込むような形でマウントされるように考えてみた。 その際、スピーカ取付金具の
板厚分だけケースを削り、大きめのネジ穴を追加して皿ネジで取り付けている。 ここに通常のナベ頭のネジを使うと
フタが閉まらなくなるので注意が必要だ。
スピーカをチューナーユニットに配線する際、増設することにしたヘッドフォンジャックを経由する必要がある。 この部分は
ヘッドフォンを差し込むとスピーカからの音声を止めなければならないので、それなりの機構が必要だ。
スピーカからのラインをヘッドフォンに持ってくると、抵抗でレベルを落とさなければならないので、プラグ挿入時にスピーカ
OFFとするためには特殊なスイッチ付きのジャックが必要になる。 入手性やメンテナンスのことを考えるとあまり使いたくない
部品なのだが、今回はコレを使うのが回路的にはいちばん簡単だ。
オーディオ回路を完全自作するなら、低出力インピーダンス化したラインアンプを直接ヘッドフォン端子に持ってきて、その後に
パワーアンプを配置するのがお勧めのパターンだが・・・。
ヘッドフォン端子にはレベル調整用の抵抗を付けなくてはならないので、小さな基板を使ってマウントしてみた。 ケースには元々付いていた
操作スイッチ用と思われるガイドがあったので、基板の外形を合わせてガイドの溝にはめ込んでいる。 この状態で裏蓋を被せると、
基板の上端がフタで押さえられ、固定されるという寸法だ。
この基板上には、リモコン受光素子も取り付け、A-200K本体基板へ中継している。
ヘッドフォンジャックの横には電源スイッチを取り付けている。 今回は黄色 LED内蔵のものを使い、パイロットランプとしても
使うことにした。 本来は 2色LEDを使いたいところだが、値段の割に体裁の良いスイッチに巡り会えなかったので、回路を少し工夫して
スタンバイ時は明るさを減光するようにしてみた。
尚、AC100Vラインがシャーシーや他の配線に接触しないよう、端子部分は熱収縮チューブでガードすることを励行しよう。
上の写真は、スピーカと電源の接続部分中継コネクタ。
スピーカと電源 (ACアダプタ)はケースの外に付ける関係で配線を引き出さなくてはならないので、メンテナンス性を考えて
中継コネクタを取り付けている。 こうしておくと、金属製のシャーシーや裏蓋で配線を挟み込んだり、傷付けたりする心配もなくなるので
安心だ。 尚、誤挿入防止のため、同じピン数のコネクタを使うことは避けなければならない。
配線の引き回しは改めてカウントしてみると結構な量になるようだ。 関連部分の接続図を記しておくので、実際に製作される方は
参照していただければと思う。
・ ・ ・ ・
■ TVチューナーの購入時期による個体差について・・・
購入時期の違う TVチューナー 2台を比べてみると、付属品や使用部品等で少しずつ違いがあるようだ。 場合によっては製作時に
部品の買い足し等が必要な場合も考えられるので、少し触れておきたいと思う。
- 付属のスピーカ
4月購入 → 70×42mm楕円形。
7月購入 → 40×30mm楕円形。
※別途用意する場合は全く問題なし。
- PAL → F接栓変換コネクタ
4月購入 → なし。
7月購入 → 変換コネクタ付属。
※ない場合は別途購入するか、改造する必要がある。
- オーディオアンプ IC (TDA7496L)の放熱器
4月購入 → 小型フィンが貼り付けてある。
7月購入 → なし。
※なくても問題ないと思われる。 心配性の人は別途用意して貼り付けておくと良いだろう。
- 外部入力コネクタ CN3の形状
4月購入 → 2mmピッチ PHコネクタ。
7月購入 → 3.5mmステレオミニジャック。
※F接栓変換コネクタを付けると、ミニジャックは同じパネル面に顔を出さない。 何れにしても中継が必要。
- 電解コンデンサ C3, C19, C14の容量
4月購入 → 470μF 16V。
7月購入 → 220μF 16V。
※C19, C14は出力 (8Ωのスピーカ)へのカップリング用なので、できるだけ大容量が望ましい。
※100Hzにおけるリアクタンス分は 220μF→7.2Ω、470μF→3.4Ω。 大きなスピーカを付けたい方は 470μFへの交換がお勧め。
こんなところだろうか。
今回は、外部オーディオ入力用コネクタ CN3の形状が、通常の 2mmピッチコネクタの方が扱いやすかったので、4月購入分の基板に今回セットで付いてきた
PAL→F接栓変換コネクタを取り付けて使用することにした。
2004/09/20 Yutaka Kyotani
2004/10/03 Yutaka Kyotani (オーディオミキサー追加とケース構成部材の取り付け追記)