パチンコ台中古モニタ活用術「CR加トちゃんくらぶ/CRがきデカ」編


■CR加トちゃんくらぶ(奥村遊機)/ CRがきデカ(三星)
液晶パネルSHARP製 5'TFT LQ5RB49
主要処理 ICIR3Y26A
入力信号RGB(Hi-Z), Sync(Hi-Z), 電源(5/12V)
本体改造ジャンパー x3
追加回路78L05, VR x1, R x4, C x3ほか
お勧め度★★★☆☆
購入店・時期等o_satou さんご提供
他の同系機種加トちゃんシリーズ
備考左の写真は CR加トちゃんくらぶ(奥村遊機)
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実験をされる前に 注意書き をお読み下さい。

■このモニタユニットについて・・・

SHARP製 5インチ TFT液晶パネルを使用したモニタユニットである。
今回のお題目 CR加トちゃんくらぶと CRがきデカ、実は別のメーカーから出ている台である。 液晶ユニットとして見ると、 ケースの外観は確かに違っている。 が、ケースを開けて中身を出してみると、使われている液晶パネルが全く同一であり、 映像回路基板や絵柄処理基板も一部を除いてほとんど同一のように思われる。
どうやら開発メーカーが同一で、ハードに関してはほぼそのまま使い回し (おっと失礼・・・ 転用ですネ?!) されているような印象だ。
特に映像回路基板の方は、パターンとシルクに入れてあるメーカー名位しか違いを見つけることはできなかった (^^;

今回、o_satou さんという方のご厚意で、両液晶ユニットおよび、CR加トちゃんくらぶの主回路基板をご提供いただきました。 この場を借りてお礼申し上げます m(_0_)m

それでは早速、各部のイメージをご覧いただこう。

▼ ケース・絵柄処理基板(加トちゃんくらぶ)
▲ ケース・絵柄処理基板(がきデカ)
▼ 映像回路基板・液晶(加トちゃんくらぶ)
▲ 映像回路基板・液晶(がきデカ)

ケースそのものは比較的小振りで無駄のない大きさであるという印象だ。 両者で少し差はあるのだが、何れも中身を ケースにネジ止めする機構はなく、フタをすると基板の一部が押さえられて内容物全体が固定されるといううまい作りになっている。
最前部に位置する液晶パネルには基板固定用の小さなアングルが装着され、そのアングル上に映像回路基板がスペーサー付きビスで 固定されている。 さらにスペーサーの上には絵柄処理基板が重ねて装着されており、都合三階建て構成にまとめられている。

液晶ユニットを構成するパーツ群をバラして並べてみると、こんなイメージだ。 とりあえず今回は 二機種分並べてみた。 違いが気になる人は見比べてみよう。
まずは最重要パーツである液晶パネル(右端)。 SHARP製 5インチTFT液晶 LQ5RB49が使われている。 そこそこ分厚いように見えるが、 大半がバックライトのスペースとなっており、ネジを二本取り外せばホルダーごと「スポッ」と抜くことができるのだ。
実に便利な機能なのだが、果たしてこれを実際に使う方はどれ位居るのだろうか・・・

続いて映像回路基板(右から2番目)。 映像処理を司っているのは、SHARP製液晶を使った他のユニットでもよく見かける IR3Y26Aだ。 この ICワンチップで、映像増幅、調整、ガンマ処理、同期処理から液晶パネルインターフェースまでの全てを受け持っている。 その他、 液晶パネルが要求する各種電圧を生成するための電源回路と、バックライト用のインバータが同じ基板上に実装されている。
実は IR3Y26Aが動作するためには 5V電源も必要なのだが、残念ながら搭載されている電源回路では作られず、外部供給 することになっている。 他の液晶と同じ感覚で 12Vだけ供給すると動作しないので注意しよう (^^;

最後に絵柄処理基板(左から2番目)。 まず CPUは川崎製鉄の KL5C8400C、それに 東芝製ゲートアレイ DA02-004が接続されており、そこから ROM、RAM、主回路基板への I/Oなどがぶら下がっている格好だ。
基板の大きさはあまり大きくなく、その上に 208Pinのゲートアレイ、42PinのROMが二つ、32PinのROMが一つ(ROMは何れもDIP) と大型の部品が搭載されているため、これだけで大半のスペースを消費しているような感じだ。 あとは、256KのRAMと 74HC244、74HC14、 それに CRちょろちょろで終わりだったりする。 ある意味先進的な構成だなぁ (^^)

先ほどケース外形の話に触れたが、このユニットは内容物がケースに固定されていないため、少々注意しなければならない点がある。
ビデオモニタとしてまとめるためには絵柄処理基板を取り外す必要があるのだが、実はこの基板がフタによって押さえられる主役なのだ。 外してそのままでは スカスカになって動き放題だ (^^;
代わりの基板を取り付けてやるか、アングルを取り付ける等、別途固定方法を考えないといけないなぁ・・・


■回路について・・・

さて、一番最初の項目に改造内容が出ている関係上ある程度予想がついてしまいそうだが、 絵柄処理基板から映像回路に至る部分のインターフェースは、以前にレポートした「CRギンギラパニック」と 実によく似ている。 絵柄処理基板の画像コントローラーから、抵抗の重み付けで D/A変換された RGB映像信号が ハイレベルかつハイインピーダンスのまま映像回路基板に流し込まれ、入力部分にある抵抗でレベルを落としたのちに 処理されるというパターンだ。

ということで、今回も例によって、映像関係の回路を調べて抜き出してみたのでご参考に。


SHARP製液晶用の映像プロセスICとしてはかなりポピュラーな IR3Y26Aだが、SHARPのサイトにも詳細なデータシートが 掲載されていないため、まだよくわからない部分も多かったりする。 この IC、映像増幅、調整、ガンマ処理、 同期処理から液晶パネルインターフェースまでを全て受け持っており、以前に取り上げた「CRギンギラパニック」などと同様、 絵柄処理基板からの RGB映像信号が入力部分で減衰されて供給されている。
前述の CRギンギラパニックでは調整可能箇所のほとんどが半固定抵抗になっていたりしたのだが、この機種では 調整の必要がない部分は固定抵抗による分圧となっている。 ちなみに、映像調整用VRは絵柄処理基板の方にくっ付いているので、 忘れないようにしよう。
あと、液晶のフレーム反転信号を作る回路は、トランジスタアンプで組んである例が多いようだが、このユニットは NSのハイスピードOPアンプ LM7121IMでドライブされている。 例によって VR2はフレーム反転時のDCバランス調整用、VR5は内部電源回路の電圧設定用のため、 不用意にさわるとダメージを与えるおそれがある ので注意した方が良いだろう。

最後に電源関係の回路だが、外部から供給される 12Vを元に、7.5V、13V、-9.5V、5.5Vと 4系統の電圧が インバーターで生成されている。 また、バックライト用のインバータが同一基板上に搭載され、高圧コンデンサを通して バックライトコネクタへと配線されている。 最初の項目でも書いたが、5Vは内部の電源回路では作られていないため、面倒だが 外部から供給しないといけない。


■改造ポイントと追加回路について・・・

前述の通り、映像回路基板の入り口に減衰用抵抗があるので、これらをジャンパーでパスさせれば改造そのものは完了だ。 映像関係に関しては、 75Ωの抵抗を RGBの各ラインに入れて入力コネクタと配線すれば終わり・・・ なのだが、積み残しが二点ほど (^^;
先ほども触れたが、映像調整用の半固定抵抗(と、変化量調整用の抵抗もネ)、それから 5V電源を生成する三端子レギュレータを 別途用意してやらなければならない。 但し、この 5Vは 20mA程度しか消費しないので、RGBコンバータなどの 5Vを拝借できる機器を使用する場合、共用してももちろん OKだ。

ということで、改造ポイントと追加回路はこんな感じだ。
絵柄処理基板を外した後をそのままにしておくと、ケースに入れた際の固定が不完全になるという問題を抱えているので とりあえず適当な大きさのユニバーサル基板だけでも取り付けておいた方が良いだろう。 特に、がきデカのケースは 基板の端部を押さえる ように突起が出ているのと、コネクタの引き出し方向が 違っているので、現物をよく確認しよう。
また、コネクタと VRの位置は、ケースの穴位置を意識しておくことをお勧めする。 これは余談だが、 分解禁止のシール を剥がすと、調整用の穴がお目見えだ (^^)

▼改造・追加回路
 
▼ 製作例

まずは、左上の回路図を見ていただこう。 映像処理回路から入力部分を抜き出したものに、ジャンパーで パスさせる部分を書き加えている。 あと、インターフェース用の回路図についても示している。

最初にジャンパー部分だが、R/G/Bとも 91KΩの抵抗を適当なリード線でショートさせることになる。  赤用は R37、緑用は R38、青用は R39をそれぞれショートするのだが、該当の抵抗は全てチップ部品である。 ところが セラミックコンデンサはなぜかチップではなくリード線タイプが使われている。 そのため、基板の裏側から C28(端部)→入力コネクタ1Pin(R)、同様に C31→3Pin(G)、C32→5Pin(B)と配線する方が良いだろう。 具体的な場所については 右下の拡大図を参照の上、部品番号とパターンを確認しておいて欲しい。

▼ 基板裏面
 
▼ 拡大図



■さて、映り具合の方は・・・

それでは早速右側のイメージをどうぞ。 今回は 5インチ画面ということで、大きさという観点からすると「並」 である。 液晶のカラーフィルタは縦ストライプだが、それほど高解像度という部類でもないようだ。 しかし、ケースを含めた外観に比較的無駄がなく、少々コツは必要だが うまくまとめればケースごと再利用できる というメリットもある。
あと、内部は実に素直な構成で大した改造も必要としないので、失敗のリスクもほとんどないと思っても良いだろう。

尚、PLAYSTATION接続時、同期信号ラインを 75Ωで終端してみたが、特に同期の乱れ等は見られなかった。
秋月電子製 RGBコンバータV2と組み合わせることをお考えの方は、同期信号は RGBコンバータに入力する 映像信号で代用できるので、同期タイミングのズレを防ぐため、是非映像入力ラインから取るようにしよう。

2003/07/05 Yutaka Kyotani

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