STEP-10 〜番外編その2〜 秋月の 'SK-5'を使うと・・・

秋月電子から発売されているアクリルケース 'SK-5'を使うと「基板がぴったり収まるらしい」という話は 当初から聞いていたのだが、その他に実装上注意や工夫が必要かどうかというところまでは、実物が手元に ないせいもあってよくわからないままとなっていた。 外形寸法については、前のページで切り詰めた 'KP-61'と横幅(短辺)を除いて大差なく、似たような実装方法で対応できるかなという認識だったのだが・・・・
その後、本家 ChaNさんのフォロー記事や、実際に 'SK-5'を使って製作された方から「単三電池はケースに入らない」 という情報が入り、私自身もちょっと気になるので、通信販売で 'SK-5'を入手して確認してみることにした。


到着した 'SK-5'と 'KP-61'を並べたところ。 'SK-5'の方が小振りだが安定感があり丈夫そうな印象だ(笑)

さて、ここで実際に今まで使っていた基板を取り出し 'SK-5'にあてがってみると、なるほど「ぴったり」である。 外形寸法は切り詰めた 'KP-61'とそれほど違わないようなのだが、ケースの肉厚がかなり厚めで 実際の内寸は見た目以上に「窮屈」な感じがする。
とりあえず、この状態で発覚した問題点は以下の通り・・・
1. 単三の電池フォルダを実装した状態では、ケースのフタが閉まらない。
2. ケースの肉厚のため、ヘッドフォンジャックのネジ止めができない。
3. 基板とケースの隙間に余裕がなくなったため、押しボタンに真鍮製スペーサーが使えない。

1の問題は、電池を「単四」にすれば解決できる。 が、色々と面白くない弊害が待ちかまえている。
電池の持続時間がそのままではかなり短くなってしまうので、2本直列の 3V動作にする (回路定数の変更が必要なので面倒!)とか、2本並列 (電池フォルダの実装で問題点あり?)にする等の 対策が必要と思われる。
色々考えてみたのだが、思い切ってフタの「当たる部分」を切り取ってしまうことにした。 一見反則ワザに見えるが、この穴から電池が交換できるというメリット (?!) も生まれるのでよしとしよう(苦笑)。

続いて2・3の問題。 肉厚からくる制限のため結果的に両者共通した問題点のようになってしまっていて、 根本的な解決を考えていると機構部品の選択をやり直さなくてはならないようだ。
ここは発想の転換ということで、ケースの外側に 1mm厚のアルミ板で作った別の「フロントパネル」を貼り付けてみることにした。


左がフロントパネルを貼り付けたところ。 アルミ板の加工は前のページを参考に、現物合わせで調整しよう。 インスタントレタリングで操作説明等をプリントし、クリアラッカーで仕上げておくとなかなか Goodだ (^^)
ケース自体の加工としては、押しボタンスイッチの部分は真鍮製スペーサーが引っかからず素通りできる 長方形の穴をあける。 ヘッドフォンジャックの部分はジャック自体がケースに当たらないよう、 少し余裕を持って削り取るような感じで良いだろう。
最後に貼り付け。 私の場合は二液混合タイプのエポキシ樹脂を使って貼り付けてみた。 位置合わせはくれぐれも慎重に (^^;;

真ん中は基板をケースに収めたところ。 スマートメディアの前面は取り外しの便を考慮し、ケースのかみ合う部分を 削り取っておく。
電池部分の穴はこんな感じでOK・・・ 電池フォルダの両端の部分は、基板の浮き上がりを防ぐために使う意味もあるので ケースの穴は電池の部分だけにとどめ、電池フォルダの上部を現物合わせでカッター等で削り取って調整しよう。
あと、LEDをヘッドフォンジャックと共にユニバーサル基板に取り付けている関係で、'KP-61'ではヨコだったものを タテに取り付けている。 したがって、フタの方も LEDが干渉する部分を削っておく必要がある。

右側はフタを閉めたところ。 'KP-61'の抜け殻と並べてみた。 少しコンパクトになりましたネ (^^)

はい、これで 完了〜っ!

'KP-61'より見栄えが良いようです (^^)

フタに穴をあけてしまったので、絵を描いたものをケースに貼り付けたりするのはちょっと難があるかな・・・
ということで、トランプのケースがよく入っているような「ボール紙の筒」を作ってかぶせてしまうのも良いかも知れない。
2000/07/02 追記 Yutaka Kyotani
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最後にひとこと、あとがきを!