液晶自作キット + LM151X2 (Page 1 / 2)

 液晶自作キット + LM151X2


■ 破格値でゲットしたジャンクの液晶モニタ・・・

あれは 2004年9月18日(土)夕方のことだ。 部品を買うため立ち寄った大阪日本橋の某パーツ店で、別のフロアにある 中古パソコン売り場をふと覗いてみた。
フロアの奥の方にはジャンクコーナーがあるのだが、そこに一台の液晶モニタが置かれているのを発見。
三菱 RDT151X 1,999円
※バックライト切れ。 映りません!
大手リース業者の放出品らしく、画面にはマジックテープを使ってフィルタが貼り付けてある。 VGAケーブルは直付け、電源内蔵で ACアダプタは不要のようだが、電源ケーブル欠品。 しかしマニュアル付き (^^;
ケースはあまり汚れていないようで、程度は良い部類に入りそうに思う。

ということで、早速レジで 代金 1,999円也 を払って購入。 持ち帰ることにした。

▲ 持ち帰った液晶モニタ
▲ 電源ケーブルの代用品を急遽作成

持ち帰った液晶モニタを早速点検。 まずは、電源ケーブルがないので調達方法を考えなければならない。
ケースに装着されている電源端子を見ると、一見メガネ型の電源ケーブルが刺さりそうな感じなのだが、一本余分に 生えている GND端子が邪魔をする上、微妙〜にサイズも違ったりして、手元にあるケーブルは全滅だった。
とりあえずは代用品ということで、PCのハードディスクや光学ドライブの電源端子に使うピンを、ACプラグ付きコードの 反対側に圧着し、急ごしらえの代用 ACケーブルとしてみた。
※ちなみに、後日 適合するケーブル を調達、交換済みだ。

早速症状を確認してみると、確かにバックライトが点灯しないのだが、PCからの入力にはちゃんと反応しているようで、 信号を加えるとパイロットランプが緑色になり、信号を止めると黄色になる。 よ〜く目を凝らして画面を見ると、 それらしい内容の画面は映っているような感じだ。

▲ 脚を外したところ
▲ 裏ブタを外してみた

▲ さらにシールドケースを取り外す[拡大写真]
▲ メインの信号処理基板[拡大写真]

とりあえず、フタを開けて裸に剥いてみた。
回路ブロックとしては大きく三つに分けられており、中央が電源回路、右側が信号処理と液晶インターフェース、左側には バックライトインバータがあり、それに操作スイッチ基板が付いて完結しているようだ。

今回はバックライトが全く点灯しないという症状なので、早速バックライトインバータ周りを調べてみることにする。

▲ バックライトインバータ基板[拡大写真]
▲ インバータ基板の端子部分

左上の写真がバックライトインバータ基板。
使われている液晶はバックライト二灯仕様で、インバータ基板上にも同様の回路が二回路作り込まれている。 基板のほぼ中央に PWM制御用 IC TL1451A(2回路入り)があり、その出力でトランジスタを ON/OFF制御してインバータの出力パワーを調整しているようだ。 液晶への端子周辺を見ると、 低圧側はそのまま GNDへつながっているのではなく、ダイオードと抵抗でランプ電流のフィードバック制御が行われている。

端子部分をテスターで当たってみると、電源(12V)はきちんと供給されていた。 右上の写真で[C]の位置にヒューズが実装されているが、 断線しているということもなく、至って正常だ。
それならということで PWM制御回路をバイパスすべく、[C]〜[D]間をテスターの電流レンジでさわってやると、きちんと バックライトは点灯してくれた (フィードバック制御なしのフルパワー状態なので、長時間この状態を連続させてはならない)。 とりあえず、 インバータ回路部分は活きているようだ。

問題が PWM制御回路にあるとのことで、メイン基板側からの信号をもう少し調べてみたところ、[A]は中間の電源基板上で OP-AMP LM358によるバッファが入れてある。 アナログ制御ということはおそらく輝度調整だろう。 ちなみに、信号 OFFでスタンバイ状態になっても電圧は変化しなかった。
残る[B]がバックライトの ON/OFFを制御しているラインと思われるのだが、電圧を当たってみると妙な感触だ。 スタンバイ状態で 0Vになるのは良いとして、信号入力時に約 1.6V・・・。 どこかがイカれてちゃんとドライブできてないのだろうか。
[B]のピンをハウジングから外した状態で電圧を測ると約 5Vの電圧が確認できるので、本来は 5Vでバックライトが点灯する仕様の筈である。 ということで、 他の 5Vラインからテスターの電流レンジで[B]に触れてみると・・・・ あ、点灯した (^^)

▲ 本当の意味での原因は不明だが、一応完動
何か、これだけで直ってしまったようだ (^^)
5Vラインに接触させていたテスターを外してもきちんとバックライトは点灯状態。 その後しばらく使用しているが、バックライトが点灯しなくなる トラブルはなく、ON/OFF制御に今のところ問題は出ていない。
本当の意味での故障原因は調査できなかったが、万一の時は「インバータ基板ごと交換」という選択もアリなので、今回はここまで判れば十分だろう。

今回は原価 1,999円、持ち帰って 1時間足らずで XGA 15.1インチ液晶モニタが再生できたということで、ひじょうに コストパフォーマンスに優れた買い物だったと言える。
・・・と、ここで終わってしまってはタダの修理体験記なので、もう一ひねりしておこう。 実はメインの基板と液晶の結線が 妙に本数が多いのだ。 LVDSトランスミッタらしき部品も見当たらない。 ひょっとして、XGAでディジタル RGB接続という 珍しいパターンの液晶かも・・・ ということで、調査続行の上で願わくば液晶自作キットとの接続実験も考えている。 もう少しお付き合いの程を。

・  ・  ・  ・

■ 液晶モニタをさらに分解して調査・・・

ということで、液晶モニタをさらに分解。

▲ 液晶パネルを摘出
▲ 液晶パネルの銘板部分[拡大写真]

自社で液晶パネルを作っているはずなのに、自社製パネルは使われていないようだ (^^;
使用パネルは、L.G. PHILIPSの LM151X2(C2TH)と判明。 やっぱり自社製はコスト高いのかな・・・

▲ 信号コネクタ部分
▲ 信号ケーブルを取り外したところ[拡大写真]

信号コネクタ部分のテープを剥がし、ケーブルを外してみた。
信号コネクタは HIROSE DF9-41Pinタイプ。 ディジタル RGBのニオイがぷんぷん漂っている。
コネクタモールド部分の造りは、液晶自作キット付属品のケーブルによく似ていたりする。

次のステップとしてはやはりデータシート検索だろう・・・ と、サラッとググって見たところ、あっさり発掘 (^^)
インターフェースは、予想通りディジタル RGB(各6Bit)。 何か、事がうまく進みすぎなんだけど (汗)


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