表示部分の検討と製作(Page 1 / 3)

■ 蛍光表示管についての考察


◇昔はこのテの表示のデバイスが色々と存在したようだが・・

今回ネタとして取り上げる「蛍光表示管」は、どちらかと言えば真空管に似た原理で、ヒーターを熱して電子を放出させ、最終的に蛍光体を塗った電極に衝突させて 光らせるというモノである。 最近では蛍光体の色は比較的種類が多く、カラフルなものもあるようだが、昔の蛍光表示管は 何故か緑系の色ばかりで、これはこれで独特の雰囲気を醸し出している。
内部には直熱型のヒーターと、電子を加速するためのグリッド、それに各セグメントの形に加工されたプレート(アノード) が存在している。 構造上やや高電圧が必要で、ヒーター用として使う 1〜4V程度(種類によって異なる)の他に、 30〜40V程度の電圧を用意してやらないといけない。

少々余談になるが、これ以外で昔から存在したメジャーな表示デバイスの代表格は「ニキシー管」ではなかろうか。 ニキシー管の原理は 真空管ではなく、放電管である。 身近なものでは、パイロットランプ用として最近でもたまに使われる「ネオンランプ」 を思い浮かべて欲しい。 パイロットランプでは二本の電極があってその間で放電するだけだが、私の記憶に残るニキシー管には、 数字の形に切り抜いた電極が‘0’〜‘9’までの 10枚分、わずかな隙間を保って重ねて封入されており、オレンジ色に光る数字を見ることが できた。 尚、放電を使う関係でニキシー管には 70〜100V程度の高電圧が必要だが、こちらは 74シリーズのロジック ICに 74141という専用ドライバが用意されていたのが印象的だ。
話を元に戻そう。 今回入手した蛍光表示管だが、NEC謹製 LD8113という型番で、‘田’の字型セグメント+小数点が表示可能なようだ。
まずは左上の写真を見て欲しい。 今回「デジット」でこの蛍光表示管を購入した際一緒にもらってきた資料がコレで、 ピン接続と簡単なコメントが記されている。 とりあえず実物を見ながら内容を確認し、予備実験を行った上で 実際の回路を確定していきたいと思う。

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◇そして予備実験・・・

いつも実験に使用している +12V、5Vが取り出せる電源ユニットを持ち出し、適当につなぎ合わせて実験をすすめることにする。 また、 ヒーター用として、VRとパワートランジスタを使って 0〜5V弱まで電圧を調整できる‘簡易ドロッパ’を即席で用意した。

まずは[赤]端子(=ヒーター)の +2.5Vというコメント通り VRを調整して電圧を加えてみたのだが、ヒーターが 真っ赤に赤熱し、これではいささか電圧が高すぎるようである (^^;
ビデオデッキの表示パネルなど、他の蛍光表示管が使用されているものを観察するとわかるのだが、ヒーターは部屋を暗くしないと 点火されているのがわからない程度なので、早速 VRを絞って「少し赤くなっているかな」という程度に調整した。

続いて[黄]端子(=グリッド)のコメントが +12Vとあるが、私の経験上、グリッドおよび各セグメントの電圧は 30〜40V程度必要な筈で、12Vでは低すぎるという印象だ。 これで動いてくれれば回路を考えるのは楽ではあるが、 今回は複数桁のダイナミック点灯を行うつもりなので、少々明るめのセッティングにしておかないといけない。
一応 12Vで試してみたが、やはり暗すぎてダメでしょ (^^; ということで、他の電源ユニットを動員して直列接続・・・ と。

結果、ヒーター電圧は 1V程度、グリッドおよび各セグメントの電圧は 35V程度が適当と判断した。


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